Wills それぞれのリアル to 出版社 迂路の先の原点 VOICE Nさん IT企業/PM ▶ 出版社/編集者 INTRO 新卒にてIT企業に入社。半年間、社内新規事業の営業を経験した後に、同事業のデータベース構築の部署へと異動しバックオフィス業務を担当。 “変化を楽みながら、前向きでポジティブな人たちと働きたい” 就職活動で大切にしていた想いを、日々働く中で感じることができていたNさん。 一方、そんな中で出てきた“自分がしている仕事に対して、自分自身は共感できているのか”という疑問。 最終的な転職はキャリコムではなく、ご自身での応募から実現されたNさんですが【やりたいこと】を見つけるためのプロセスにご一緒させて頂きました。 結果が同じでも、プロセスが違えば見え方・感じ方は変わる。 キャリアにおいて、人が介在する価値を改めて感じさせて頂いたストーリーのご紹介です。 “大切にしたいこと”で決めた ファーストキャリア 「就職活動では、“やりたいこと”や“仕事がどういったものなのか”ということを深く理解する前に始まってしまった感覚がありました。世の中にある多くの選択肢から、自分自身で選びきることができない状態だったと感じます。でも、就職活動はある一定の時期から始まり、その中から何か一つを選ばなければならない。そんな状況もあり、何をするかということよりも“働く上で何を大切にしたいか”ということを考えていました。」 「そこで出てきたのが“変化を楽しめる環境であること”と“前向きでポジティブな人たちと働ける環境であること”の2点でした。これらの軸から、業界としてはITを中心に選考を受けていました。これもあくまでもイメージではありましたが、ITという領域であればなんとなく変化に対して柔軟な働き方・動きができるのではないかと感じていたんです。本当に、感覚的に決めていた感じです(笑)」(Nさん) 最終的にはIT業界の中でもネームバリューのある大手企業2社から内定をつかみ取り、よりご自身のパーソナリティに合うと感じる企業への就職を決めたNさん。 「伝統的な企業の中で、身動きが取りづらい働き方はあまりイメージできませんでした。一方で、“これがしたい!”という確固たる軸があったわけではなかったため、ネームバリュー的な部分も気にしていました。大企業でありながら、変化を楽しそうな会社。最終的には自分自身と企業の感覚的なマッチ度も考慮し、入社を決めました。」(Nさん) こうして、ファーストキャリアとして入社する会社を決断されたNさん。入社後、前向きに働き着実にキャリアを歩まれる中で、就職活動で軸に置いた“どう働くか”ということ以外の、ご自身の中にある大切にされたい想いに気づかれることになります。 “やりたいこと”へ、 足りなかった自信 「入社後半年間は、通信アンテナの設置を目的としたビルオーナー様や土地所有者様への営業に従事しました。その後、同事業内のデータベース構築の部署への異動が決まり、営業職から大きくキャリアが変わることになりました。当然、業務内容も大きく変わり、配属されてからは業務遂行をしながら新しいことを常にキャッチアップするような日々でした。各種資格の取得やデータベースついての勉強を、本当に0ベースから積み上げていましたね。」 「入社してから半年で部署も働き方も大きく変わりましたが、イメージしていた“働く上で大切にしたいこと”は実現できていると感じていました。社内の中でも新規事業のポジションであったことや、自分自身もデータベースに関する知見が全くない状態からのチャレンジだったこともあり、常に変化を楽しめていたように感じます。周囲の方々にもとても恵まれていたので、入社前にイメージしていたこととの大きなギャップはなかったですね。」(Nさん) しかし、そんな中でNさんに新しい想いが芽生えたといいます。 「働く上で大切にしたいことが叶っている一方で、携わっている会社の事業に対してあまり共感ができていない自分がいることに気づきました。客観的・俯瞰的に見たとき、事業として大きな社会的価値があるということは理解できていました。ただ、ユーザーとしての自分からその事業を見たときには、必然性を感じるまでには至らなかったんです。事業自体の影響力・価値の大きさは理解できても、“共感”ができなかった、という感覚でした。」 「そこから少しづつ、就職活動のときには考えきれなかった【やりたいこと】や【興味が持てること】を考えるようになりました。働き方や人といった環境面に対しても、自分の中で大切であることに変わりはなかったのですが、働く中で自分にとっては【何に関わるのか】ということも大切なことだなと気づいたんです。」(Nさん) 働く中で気づいた、自分が大切にしたい想い。Nさんは、入社3年目に“一度目の”転職活動を行われます。 「転職活動では、当時感じていた前述の想いをベースに“好きなこと”に対してアプローチを行いました。具体的には舞台や音楽、コンサート等を興行する会社への応募を行いました。純粋に、自分の興味があるものや趣味として好きなものに対してアクションを起こした形です。」 「この転職活動のときは、エージェントは利用せず企業への直接応募という形を取りました。当時の部署が新規事業という立ち位置だったこともあり、業務面でも多忙な日々でした。そんな中で、求人を中心とした大量の情報を処理できる自信がなかったんです。周囲から聞いていたエージェントのサービスや進め方を聞いた上で、自分の状況とはなかなかマッチしないなと感じ、独力で進めた形でした。」(Nさん) ご自身の好きなことに焦点を当て転職活動をされたNさん。少ない選考の中でも内定を獲得され、新たなキャリアへの歩みを進まれようとしますが、最終的に当時の会社様に残るという選択をされることになります。 「選考自体の数はかなり絞って行った転職活動でしたが、幸いにも希望していた企業様から内定を頂くことができました。普段から自分も見に行っていたような舞台やコンサートを担当されている企業様で、転職活動をスタートしたときにイメージしていたことは実現できたように感じました。」 「ただ、そのタイミングで重要なポジションを担われていた上司の方が、急遽無期限で海外出張に行くことになったんです。そんな状況で、自分も転職するとなると組織内での影響が大きすぎると感じました。ただ、本心のところでは“やりたいことはマッチしているはずなのに、なぜか踏み切る決断ができない”状態でした。たしかに、舞台やコンサートは好きで自分自身も魅力を感じる。でも、それを仕事にすることが本当に正しいのか、あまり明確ではなく自信が持てなかったんだと思います。内定を頂いた企業様が伝統的な日本企業という感じもあり、ベースにある働き方のアンマッチも少し感じていたことから、最終的には当時の会社に残ることを決断しました。」(Nさん) 内定という結果をつかまれながら、現職に残るという判断をされたNさん。残留を決めてからは、仕事に対してポジティブな変化が多かったといいます。 「会社に残ると決断した後、上司の仕事を自分が引き継ぐ形になりました。上司の方は、当時部署内でスタープレイヤー的なポジションだったので、自分にそれが務まるのかという不安はありました。ただ、いざやってみると“仕事を決める”立場に自分自身がなったことで視座が上がり、仕事が楽しいと感じるようになっていきました。関わる人やできる仕事もどんどんと増えていき、前向きに仕事ができているという実感を持ちながら働けていました。」(Nさん) 働くことに対する前向きな変化の中で、充実した日々を過ごされていたNさん。しかし、昇進も実現され順調にキャリアを歩まれる中で、改めて感じた想いがあったといいます。 好きだからこそ、 想いが生まれた。 「責任あるポジションにも慣れてきて、“仕事って楽しいしおもしろいんだな”と心から感じていました。同時に、前向きに仕事ができているからこそ、自分自身の仕事が最終的に形となる事業・サービスに対して興味が持てていないことに改めて違和感を感じるようになっていました。」 「大きな枠で仕事を捉えたときに、それを心から楽しめている自分がいる。そのモチベーションや働き方が、“自分自身が本当にやりたいこと”においてできたら、どんなに幸せなんだろうかと思ったんです。そこから、改めて【やりたいこと】にフォーカスをして、転職がしたいと考えるようになっていました。」(Nさん) “働く”ということに楽しさややりがいを感じることができたからこそ、改めて出てきた“想い”。 Nさんは、再び新しい道への一歩を踏み出されます。その際、前回の転職活動では利用することがなかったエージェントへの相談を行われます。 「前回の転職活動では、自分の興味・関心から決め打ち的に選考を受けたことで最後の決断に自信を持てなかったのではないかと感じていました。自分一人では“やりたいことを仕事にしたい気持ちはあるけれど、それがなんなのかわからない”という状態だったので、第三者的な意見を聞きたいと思い、エージェントに相談をすることにしました。」(Nさん) “エージェントに相談をして、自分自身のやりたいことを含めた方向性を考えたい。” そんな想いから相談を始められたそうですが、いざ始めてみると多様な情報の中でご自身のやりたいことが混乱する形になってしまったそうです。 「エージェントとの面談では、一度目の転職活動も含めたこれまでの経緯や、転職を検討している背景を包み隠さずお伝えをさせて頂きました。私自身“やりたいことを見つけたい”という想いがあったので、それに対して本当に幅広く多くの求人を送ってくださいました。エージェントからしても、やりたいことがあまり見えない求職者だったんだと思います(笑)やりたいことがわからないなら、幅広く求人をご紹介しますねという感じでした。」 「多様な選択肢を提示頂けたことはありがたかった一方で、いくら求人を見ても”やりたいこと”は明確になりませんでした。むしろ、どんどん混乱していくような感覚すらありました。もちろん、私自身が希望を明確に言語化できていないという前提がここにはあったと思います。そこに、多くのエージェントが提供している”選択肢(求人)の提供“というサービスとのミスマッチが起こり、どうすればやりたいことが明確にできるのかがわからない状態になっていました。」(Nさん) 世の中には多くの選択肢があること、それが具体的にどんなものなのかはイメージができた。 一方で、ご自身の中にしかない“やりたいこと”は、なかなか見えてこない。Nさんとキャリコムが初めて面談をさせて頂いたのは、そんなときでした。 “想い”の先に辿り着いた 出発地点 「ダイレクトリクルーティングの媒体からお声がけを頂き、HPを拝見してキャリコムさんに面談の依頼をしました。この段階では、正直転職活動が前に進んでいる感覚(=やりたいことが明確になっている状態)を自分自身全く持てていませんでした。」 「キャリコムさんとの面談でまず感じたことは“とにかく私自身の話を深く聞いてくれる”ということでした。今何に困っているのか、なんで転職をしようと思ったのか。その上で、今どこに詰まってしまっているのか。他のエージェントは“転職をすること”に重きを置いている印象でしたが、キャリコムさんは“転職を最終的にしなくても良い”くらいのスタンスで私に向き合ってくださっていた印象でした。転職することではなく“今の状況・課題を解決すること”に重きを置いてくださっていたように感じます。」 「はじめに頂いたご支援は、私自身がさばける数の求人に対して“各求人を評価するワークシートの作成”を行うというものでした。ワークシートでは各社の基礎情報や企業理念を整理した上で、それらに対して“自分がどこに興味・共感を持てるのか。逆に、持てないのはどこなのか”等を通じて整理を行っていきました。求人をご紹介頂いたという点では他のエージェントと同じかもしれませんが、“転職をする”という起点ではなく“それを見て自分がどう感じるのか”という、【価値観を深堀りするため】の起点となるものというスタンスに、大きな違いがありました。これはあくまで自分の印象ですが、私の中で大切なことの濃淡を具現化してくださるために、こうしたアプローチをしてくださったのかなと感じます。」(Nさん) たとえ手段が同じでも、目的が異なると見え方が変わってくる。求人を起点としてご自身が大切にしたいことがなんなのかを、キャリコムと一緒に考えていったNさん。そこから見えてきたものはなんだったのか。 「ワークシートの作成後、お打ち合わせを通じて“なぜそう感じるのか”という理由の深堀をしていきました。その過程で、ベースとして企業風土や周囲との調和が自分の中で改めて大切な要素だと気付きました。また、“これまでに積み上げてきたキャリアを活かしたい”という想いがあることも見えてきました。」 「そこから、これらのベースが叶えられそうであり、且つワークシートの評価が相対的に高い企業への選考を受けていくことになりました。ただ、これもあくまで転職するという目的ではなく、“自分自身のことを知るため”にという目的でのアクションでした。具体的には、コンサルティング業界や建設業界への応募を行いましたが、業界に対するこだわりではなく、あくまで私がベースとして大切にしたい企業風土や理念への共感という観点で企業様は選びました。」(Nさん) ワークシートを活用した整理とキャリコムとの打ち合わせを通じて行った深堀。 これらを元に選考を受けていく中で、Nさんは改めてご自身の中にある“想い”に気づき、大きなご決断をされることになります。 「実際に選考を受けていく中で、働く方の熱意や雰囲気がとてもよかった建設業の企業様がありました。ベースとなる大切にしたいことを起点としたときに、選考を通じて企業様への魅力をとても感じていました。でも、なぜか“入社したい”とは思えなかったんです。」 「ここで初めて、“これまでのキャリアを活かした発展的な場所への転職”では、自分自身の想いが実現できないことに気づくことができました。条件面を下げたくない、これまでのキャリアを活かしたいという考えをある意味で“捨てる”決断ができた大きなきっかけになりました。」 「改めてキャリコムさんとのお打ち合わせをさせて頂き、仕事における“好きなこと”を深く考えていきました。スキルや経験といった“できること”ではなく、自分が“やりたいこと”に焦点を当てたんです。そこから、自分自身の仕事を振り返ったときにデータベースの構築に関してもPM(プロジェクトマネジメント)的な動きをしていて、そこに大きなやりがいを感じていたことがわかりました。また、無機質に感じるデータベースを作る中でも、使う人たちの見やすさや使いやすさといったことを大切にしていたことも見えてきました。自分の中で常に、“人”が起点になっていたこと、その心を動かせるような仕事がしたいんだと、明確に気づくことができた瞬間でした。」 「最終的には【様々な人たちと関わり、そこから出てくる多くの要素を調整すること】にやりがいを感じる自分と、そうした働き方を通じて【感情や想いといった“心を動かせる”、形あるものを作りたい】という想いに辿り着くことができました。この想いから、自分自身が心を動かされてきたものは何かということを考えたときに、本や音楽といった幅広い意味でのエンタメに携わりたいと強く感じました。結果的には、一度目の転職活動のときに戻った感じですね(笑)ただ、同じ場所に戻ったとはいえ、自分の中での感じ方・納得感には大きな違いがありました。自信を持って、自分がやりたいことはこれだ!と思うことができるようになっていました。」(Nさん) 結果が同じでも、過程が違えばその捉え方は大きく変わる。ご自身の好きなことに目を向け、深く考えた道程から見えた景色は、かつてないほど鮮明で希望に満ち溢れたものになっていました。 カタチとなった想い 「自分のやりたいことが明確になり、出版社(編集者)を中心に転職を目指すことを決意しました。未経験ということもあり、求人もあまりない中で選択肢は限定されていましたが3社に応募し、うち2社から内定を頂くことができました。時間はかかりましたが紆余曲折した分、面接ではなぜ出版社を志望するのかを明確に語ることができました。作られた言葉としてではなく、自然に出てくる自分自身の“想い”から言葉を紡げていたからこそ、結果もついてきたのかなと感じています。」 「最終的には、キャリコムさんからのご紹介という形で転職は叶いませんでしたが、出版社を目指すとなったときも求人情報がそこまで多くないことを丁寧にご説明頂いた上で、快く背中を押してくださいました。自力で受けた上で、そこで感じたことを元に次のアクションを決めていくというご提案も頂き、どんな状況に合っても伴走頂けているという実感を持てたことは、自分自身大きな支えにもなりました。転職活動の道程において、キャリコムさんはとても大切な存在だったと感じます。転職することではなく、“想い”に向き合ってくださったこと。具体的な考え方やその整理、やりたいことに深く向き合ってくださったからこそ、最終的な意思決定も、自信を持って選択することができました。」(Nさん) ご自身が心からやりたいと思えることに出会い、新しいキャリアを歩みだされたNさん。“想い”に向き合った転職活動を通じて、今、感じていることとは何なのか。 「自分自身、“やりたいことの実現”という形で転職できたことはとても良かったと感じています。一方で、未経験からの転職としてはギリギリな部分はあったのかなと思うと、もう1年早く意思決定できていればより良かったとも感じます。仕事をする中でモヤモヤ感を感じたり、やりたいことの名前がわからないときは、是非キャリコムさんに相談してみて欲しいなと思いますね(笑)」 「学生時代に学んでいたこと。ベースとして大切にしたい働き方。仕事を通じて感じた想い。これまでの自分が歩んできた道程や経験が今、ようやく繋がったのではないかと感じています。」(Nさん) インタビュー/執筆:若林 捷(@waka_sh0 | Instagram) PREV 一覧に戻る